Gunslinger Girlで学ぶイタリア語 #2

ガンスリンガーガールって…?

漫画です。どういう漫画かというのは前回少し書きました。(もう2年半も前か…)

ヘンリエッタ(下の画像の女の子)がしゃがんでP90で射撃しているところの絵が有名なので、見たことのある方もいらっしゃるかもしれません。

 

nhirose17.hatenablog.com

 

11巻から先も出た…のか!?

前回の記事で「イタリア語版は10巻までで打ち切りになったようで残念」と書いたのですが…、久々にamazon.itに行ってみたら、11巻から先も出た…ようです。ただ、これまでとは版元が違う様子。10巻までのイタリア語訳が秀逸だったので、11巻から先の翻訳の質がどうなのか(できれば同じ人がいいのだけど)、非常に気になるところです。

残念ながら12巻が品切れだったのですが、手に入る分だけでもとにかく注文。本代よりも送料の方が高くて参りますが、もう出ないものと諦めていた作品なので、ここはもう奮発。12巻が入手可能になるまで待った方がいいような気がするけど、待っているうちに他の巻が手に入らなくなるという危険を冒すのはイヤだったので、送料ダブりはもうしかたないかなと。

しかしこれ本当にイタリア語版だよな…? 「Italiano」と書いてあるのを何度も確かめたのですが…、届くまで安心できない気がする。

 

今回は先立未来

Che fine farà l'anima di questa ragazzina, una volta che avrà perso il nome, i ricordi e perfino il volto?

名前も記憶も顔さえも捨てて、このエリザヴェータの魂はどこに残るんでしょうね

(第6巻 第30話 Reincarnation)

これはどちらかというと「普通」の使い方なんでしょうか…。

farà(単純未来)で表されることの前に起きることを言いたいので、avrà perso(先立未来)となっている、のでしょう。先立未来の説明でよく書かれていることです。(…って、この記事を書くためにあわてていくつか見ただけなのですけど)

面白いなと思ったのは以下の使い方。

Gliene avrò parlato circa sei mesi fa.

旅行の話をしたのは半年前くらいだ…

(第9巻 第45話 クレプスコロ(1))

先立未来の説明でもう一つ書かれているのが「過去に対する推測」ということなのですが、この場面で「旅行の話をした」のは過去の本人なので、「推測」というのは当たらないように思います。自分がその話をしたのが約半年前だというのは間違いないのに、話している相手の記憶が混乱していて、ついこの前のことのように言っている、という場面なのです。言い換えれば、「半年も前なのに…」ということ。

これはつまり、前の記事に書いた未来形(単純未来)の「怪訝な思い」と同じような使い方(それの過去バージョン)ということなんじゃないか…と解釈しておきたいと思います。

こういう細かいニュアンスがきちんと訳出されているので、やはりこのガンスリンガーガール イタリア語版の翻訳は本当に質が高いと思います。自分がもっと読み取れるようになれればなぁ…。

 

今回パラパラと見直しただけなので、先立未来の文はこれぐらいしか見つけられていないのですが、他にも見つけたらまた追記したいところです。

そして、11巻以降が届くのが待ち遠しい! 11巻あたりから物語が大きく動くし、その分、名セリフも多いのです。