中国語の発音

今日も中国語の話。

発音の話…といっても、ネイティブでもないですし、留学したこともないし、正直発音は覚束ないというレベルの人間です。(しかし、去年から始めた個人レッスンの先生が「(独学にしては)発音いいね」と誉めてはくれる、というぐらいではあります!)

そんな自分ですが、学習するにあたって気づいたことが他の方の参考になればと思い、いくつか書いてみます。

 

 

区別がつくと楽しくなる

中国語講座だとだいたい最初に発音練習があり、そこを越えられずにやめてしまう人が多いのではないか…ということを前回書きました。

発音練習がつまらない理由はいくつか考えられます。

  • 単調
  • 意味のある文章でないので、実用性がわからない
  • 人前で(あるいはひとりの時でも)発音練習するのが恥ずかしい
  • うまく発音できない音がある

このうち最後の「うまく発音できない音がある」は、これはもう練習するしかないわけですが、始めたばかりの頃はどうしてもうまくいかないわけです。というか、うまく発音できているか、自分ではわからない。

もちろん、ネイティブの方にチェックしてもらうというのがいちばんいいわけですが、学生さんならともかく、社会人だったりするとネイティブの方とお会いする機会はなかなかないという方が多いかと思います。

そんなときは、まず聞くのがよいかと思います。

教材を聞きまくる。そうすると、「この音とこの音は違うじゃないか」というのがわかるときが来ます。聞いて違いがわかれば、しめたもの。発音するときも、その違いを出せるように発音すればよいわけです。

発音できるようになるためには、まず聞く。遠回りなようですが、中国語の場合はこれがコツではないかと思います。

 

区別できるようになった音

「x」と「sh」

自分の場合、「x」と「sh」の違いがわかるようになったのは、中国語を続けるモチベーションを高める上で、非常に大きな意味がありました。

ネイティブの方、あるいは、中国語をある程度長くやっている方からすると、「えっ、そんなのそもそも全然違うじゃん。違いがわかるようになったってどういうこと?」というレベルだと思います。しかし、学習し始めたばかりの人はこれがけっこうわからない。「sh」は日本語にはない音ですし、「x」に似ているので、どうしても「x」として聞いてしまう。

しかし、何度も聞いていると、違いがわかるときが来ます。細かいことは忘れてしまいましたが、自分の場合は、始めてから半年ぐらいだったかと思います。一年は経っていなかったはず。比較的早い時期に「x」と「sh」の区別がつくようになったのがきっかけで、「いけるんじゃないか」という気持ちになることができました。

 

「an」と「ang」

「an」は(前に来る子音によもりますが)ちょっと「æ」(アップルのア)っぽい気がします。「三」(san) とかは特に。

よく、「an」と「ang」の違いは「案内」と「案外」の違いだ…と書いてあるのですが、正直自分にはこれがピンときませんでした。(余談ですが、日本語の発音も変わってきているのでしょう。鼻母音は前ほど使わなくなっているように思います。それが「案外」という説明がピンとこない理由なのかもしれません)

なので、ずっと上記の「æっぽい感じ」を頼りに「an」を聞き分けていました。

 

「n」と「ng」

かなり長い間「an」はまだしも他の「n」「ng」の区別はつかないという状態が続いてましたが、大好きな映画の主題歌のPVを見ていて、「お、これは」という瞬間が来ました。(この映画についてもいつか書きたいですが、またいずれ…)

 1分30秒あたりからの「讓心謊 讓心痛 讓心碎」というところ。これを聞いていて、「謊(huang)」「痛(tong)」の音はどちらも「響く感じ」があるなと気づきました。ちょっと鼻に抜いて、響かせる感じ、とでも言えばいいでしょうか。

これで「n」「ng」の違いがだいぶわかるようになりました。

ただ、いまだに「in」と「ing」はわかりませんが…。

 

有気音

これもきっかけは歌でした。有名なテレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」です。

 

 1分20秒あたりからの「所以我求求你」のところ。昔の録音だからか、「s」「q」のところでちょっと音がかすれます。この「かすれ」「摩擦」こそ有気音なのだと個人的には理解しております。

有気音について「強く息を吐く」と説明している本もときどきあるのですが、「強弱」が発音の違いになるというのはどうも納得しにくい。そうだとすると、大声で話せば全部有気音、ひそひそ話は全部無気音ということになってしまうが、それはさすがにおかしいように思います。

 

「j」と「zh」

これはそんなに難しくない。「zh」は日本語にはない音なので、区別はつけやすいと思います。強いて言えば「しめった感じ」でしょうか。「zh」を発音するのは難しいけれども、聞き分けるのは比較的簡単だと思います。

 

まだわからない「in」と「ing」

今のところまだ区別がつかないのが「in」と「ing」です。

これは個人レッスンの先生も「わかりにくい」とおっしゃっていましたし、また、「前後の文脈から判別できることが多いから、そこまで気にしなくても大丈夫でしょう」ともおっしゃっていましたが、やはりいつかはわかるようになりたい。

区別するコツを発見したら、また書きたいと思います。

 

しゃべる機会があるに越したことはないが…

発音をよくするためには、もちろん実際にしゃべる機会を多く持つに越したことはないです。

が、しかし、そんな機会に恵まれている方は少ないと思います。お金を払って個人レッスンを受ければいいですが、それだって毎日というわけにはいかない。

しかし、だからと言って、「しゃべる機会ないし、どうせ発音なんて改善しないんだから、やめちゃおう」と考えるのはもったいない。何度も聞いているうちに、ある程度は自然に発音ができるようになっていくものです。しゃべる機会はなくとも、聞きまくる。それも発音改善のひとつの方法だと思います。